かく言う私もそれの一人だが,最近発表された”イシス”のイラストは芸が細かい.
よく注目してみよう.
・陰影がかかったイシス
・背景ある柱
・そのさらに向こうにあるナイル川
これらがこのカードイラスト中にある主なオブジェクトである.
これはタロット,特にウェイト版の女教皇のイラストと共通している部分が多い.
そもそも女教皇自体がイシスをモデルにしているが,イシスという存在以外のメッセージと似たイメージを想起させる物体が多い.
ウェイト版のタロットのイラストを見てみよう.
イラスト上にあるものと意味するメッセージは
・月と川:神秘
・黒と白の柱:陰と陽の調和(神秘)
・ザクロ:豊穣,女性性
・ローブを着た女性:イシス,ヨハンナ
である.
これらをパズドラTCGのイラストに照らし合わせると.
柱や川などイラストに出てくる物体の類似性の他,
光と影のコントラストが陰と陽の調和を,背景のナイル川が豊穣を意味していると考えられる.
また,パズドラTCGには月は描かれていないが,イシス自体が月の女神である.
これらのことからパズドラTCGのイシスのイラストはタロットと合致しているように考えられる.
また,パズドラTCGとタロットの関連と言えばもう一つ"ワールド"が思い当る.
世界のタロットは世界や物語の完成(と新たな始まり)を意味している.
これらは
・四隅の動物:火風水土(世界を構築する元素),福音書(キリストの物語)
・リボンで飾られた月桂樹の輪:完成,輪廻転生
・真ん中の人間:運命の女神,キリスト
を意味している.これらを踏まえてパズドラTCGのワールドを考察してみよう.
まず,ドロップが四隅の動物と対応していると考えると,ドロップとはパズドラ世界を構築する元素であると言うことになる.
次に,中央にある砂時計を月桂樹の輪と対応させる.これは少し不自然に見えるかもしれないが,
パズドラTCGの砂時計は片方に砂が溜ったまま静止している所を注目したい.
これは,原作ゲームの時を止める効果の再現の他に,砂時計の物語(砂の移動)が完了し同時に新しい砂の移動が始まっているとも解釈できる.このことから,"ワールド"の砂時計はタロットの月桂樹と対応づけられる.
最後にビーナスはタロットの中心にいる人間と対応していることになる.
タロットを世界の完成と解釈するなら運命の女神となり,キリストの物語とするならキリストとなる.
抽象的にみるなら,タロットの真ん中の人間はその中で"動くもの"を意味していることになる.
つまり,パズドラTCGの世界ではビーナスが世界の中で動いていることになる.
ビーナスとは愛と美,豊穣の女神である.だとすると,パズドラTCGの世界ではドロップが豊かになることは世界を動かす重要な要素なのではないだろうか.
つまり,我々パズドラTCGプレイヤーはコンボのためだけにドロップを消していくのではない.
パズドラTCG内の世界を循環させていくためにカードを操っているのだ.
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